から

から
I
から【加羅・伽羅・迦羅】
四~六世紀に, 朝鮮半島南部にあった多くの小国。 特に, 金官加羅(金海)や大加羅(高霊)を指す。 また, それら小国群の総称。 次第に新羅(シラギ)・百済(クダラ)に併合され, 562年滅亡。 韓。 伽耶(カヤ)。
II
から【唐・韓・漢】
(1)中国や朝鮮。 また, 外国。

「~天竺(テンジク)」

(2)中国や朝鮮の, 中国や朝鮮から伝わった, 舶来のなどの意の複合語を作る。

「~芋」「~織り」「~櫛笥(クシゲ)」

III
から【幹・簳・柄】
(1)草木のみきや茎。 《幹》「我がやどの穂蓼(ホタデ)古~摘み生ほし/万葉 2759」
(2)矢がら。 篦(ノ)。

「~はしら篦に山鳥の羽を/保元(上)」

(3)道具の柄(エ)。 [和名抄]
(4)名詞の上に付いて, 柄のあるものの意を表す。

「~鋤」

IV
から【掛絡・掛落・掛羅】
(1)禅僧が普段用いる, 小さな略式の袈裟(ケサ)。 首に掛ける。 掛絡袈裟。
(2){(1)}に付けてある象牙などの輪。
(3)根付け。 または根付けのある巾着(キンチヤク)・印籠(インロウ)・タバコ入れ。

「独(ヒトリ)は象牙の~よりもぐさを取出し/浮世草子・一代男 5」

V
から【柄】
(1)同じ血のつながりをもつこと。 血縁関係にあること。 「うから(族)」「やから(族)」「はらから(同胞)」などの複合語として用いられる。
(2)本来備わっている性質。 本性。 また, そのものの由来するところ。

「やまから(山柄)」「かむから(神柄)」などの複合語として用いられる。 「讃岐の国は国~か見れども飽かぬ神(カム)~か/万葉2220」

(3)(多く「からに」の形で)ある事柄の原因・理由を表す。

「手に取るが~に忘ると海人(アマ)の言ひし恋忘れ貝言にしありけり/万葉 1197」

VI
から【殻・骸】
〔「から(空)」と同源〕
(1)動物の体や植物の種子をおおって保護している堅いもの。

「卵の~」「貝の~」

(2)(比喩的に)自分の世界を外界と隔て守るものをいう。

「自分の~に閉じこもる」「古い~を破る」

(3)中身がなくなって, あとに残ったもの。 ぬけがら。

「もぬけの~」「蝉(セミ)の~」

(4)「おから」に同じ。
(5)〔魂の抜け去った肉体の意〕
なきがら。 死骸。 《骸》「空しき~を見たてまつらぬが, かひなく/源氏(蜻蛉)」
VII
から【涸・乾・枯】
〔「かれ(涸)」の転〕
(1)水がなくなること。

「シヲノ~(=干潮)/日葡」

(2)(他の語の上に付いて)水気がない, 枯れているなどの意を表す。

「~井」「~野」

VIII
から【空・虚】
〔「から(殻)」と同源〕
※一※ (名)
中に物が入っていないこと。 うつろ。 からっぽ。

「~の財布」「家を~にして出かける」

※二※ (接頭)
名詞に付く。
(1)何も持っていない, 何も伴っていない意を表す。

「~手」「~身」

(2)形だけで実質が伴わない, 見せかけだけで真実ではない意を表す。

「~元気」「~いばり」「~手形」

(3)その動作が本来の目的を果たしていない意を表す。

「~回り」「~振り」


Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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